実績・実施例


・導入チップボイラの概要
岩手県林業技術センター

1. 導入目的

 間伐材等未利用木材の需要を開拓するとともに化石燃料の代替として木質バイオマスエネルギー利用を推進する上から、木質チップをボイラー燃料として利用することが期待されている。
 そのため、木質チップの燃料利用が広く普及している欧州から「チップボイラ」を輸入・導入し、燃焼性能や化石燃料との経済性の比較等を検討する実証試験を行うものである。
2. 導入ボイラーの概要
(1)出力:600kW(約50万kcal/h)   
最低出力を小さくするために200kWと400kWの2基のボイラーにより構成されている。(600kW1基の場合、最低出力が300kWであるのに対して100kWまで対応可能)
(2)燃料:生材チップ
木材生産現場において樹皮も含めてチップ化されたものが使用可能。
また、製紙用パルプチップとして加工・出荷されているチップがそのまま使用可能。
(3)国内の法規制への対応     
無圧缶水式のため、従来の石油等ボイラーと変わりない条件での使用が可能である。
また、環境基準については、大気汚染防止法上の煤塵の排出規制の対象となるが、基準を満たしている。

3. 完 成

平成15年3月20日

4. 主な実証試験内容

(1)生材チップの燃焼性能(特に水分条件による燃焼、運転条件等の違い)
(2)経済性(化石燃料とのコスト比較、化石燃料と同等とした場合の燃料材価格の試算)
(3)チップボイラの適正出力(燃焼パターンや暖房床面積等に対する必要出力)
(4)樹皮等の利用可能性能(樹皮の有効活用と燃費の低減)
(5)燃料用チップの運搬、投入方法(チップ貯蔵庫への最適な運搬、投入方法の検討)

岩手県林業技術センター 資料より