木質バイオマス燃料は、大きく薪、チップ系、ペレット系に分かれますが、それぞれの特徴を次に示します。
◆薪
最も古くから利用されてきた木質バイオマス。含水率が約25%以下であればストーブやボイラーで快適に燃やすことができる。ただ燃焼装置への燃料の投入が自動化しにくく、燃料のサイズが大きいために細かい温度調節が難しいなどの不利な点がある。
◆木質チップ
燃料の補給を自動的に行うには細かく砕いておく必要があるが、木質チップは、通常長さ80×幅20×厚さ10以下であり、この要求にかなう。スムーズな搬送と良好な燃焼を実現するには、サイズがそろい、低含水率が求められるが、一般的には、サイズが不ぞろいなうえ、含水率にもかなりなばらつきがあるので、小型の燃焼機器には適さない。
バーク(樹皮):燃料として利用可能であるが、灰分が多いこととセンサー類に影響を与える長い形状のものの混入については注意を要する。

◆木質ペレット
直径6~10mm、長さ10~25mmの円筒形で小さくそろった形状をしている。小型のボイラーやストーブでも自動供給ができるし、細かい温度調整も可能になる。含水率の10%以下になっているので燃焼効率のよい木質燃料と言える。これによってサイズの標準化と低含水率が達成された。ただし、加工するために環境負荷や価格が高く、普及のためには生産量や生産システムの改善などが必要である。樹皮成分の多いペレット(灰分が多い)では「クリンカー」の発生が見られ、燃焼の妨げとなることがある。特に樹皮のみからなる樹皮ペレットを使用する場合は燃焼装置には対策が必要である。
◆木質燃料別発熱量など比較
ペレット、乾燥チップ、生チップの同じ重量100kgでの発熱量などの違いを次に示します。
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